名古屋地下鉄考

 名古屋市営地下鉄についての話である。
 名古屋近郊に在住でない方には、ほとんど関係ない話である。近郊に住んでいるからといって、何か役に立つ話でもない。
 なので、興味がある方だけ読んでいただければ幸いである。
 現在、名古屋には長短入り混ぜて6つの地下鉄路線(東山、鶴舞、名城、名港、桜通、上飯田)が走っている。さらに、JR、名鉄、近鉄、リニモ、あおなみ線なども走っている(あおなみ線は若干マイナーだが、名古屋から名古屋港の辺りへ延びる路線である)。
 実際の地図に、これらの路線を重ね合わせた地図(倍率は適宜変更ください)を見ながら、本稿を読んでいただければ幾分分かりやすいかと思う。
 さて、名古屋駅を通っている人なら分かると思うが、相変わらず通勤・通学時間帯の名古屋駅は混雑している。一方で、あおなみ線のように利用客が伸び悩んでいる路線もある。
 地下鉄路線図を見ていると、やはり利用者の多い名古屋~栄エリア周辺が充実した構成になっている気がする。もちろん、名古屋の地下鉄がこの路線から発展していったことから考えれば、当たり前のことなのではあるが。
 しかし、やはり、南や西への動線が弱い気がするのである。一度名古屋駅まで出ないと、他の所へと移動しにくいのだ。
 すでに、南部線のような構想もあるのだが、今から新交通システムで作るといっても、なかなか実現は難しいだろう。
 ということで、前置きが長くなったが、私なりにこれからの地下鉄路線を考えてみた。
 もちろん、素人が地図を眺めて考えたものなので、与太話として付き合っていただければと思う。需要・供給や用地の面からは無理もあるだろう。でも、まぁ、アイデアを出すのは自由なのだ。
 地下鉄路線図を見ていてまず気付くのは、桜通線が桜本町を越えたところから急に東へと曲がっていることだ。そしてその先には、緑区方面の大住宅地帯が控えている(追記:に野並から徳重まで延伸された)。
 しかし、一方で、桜本町の南には名鉄やJRの駅が控えていることも見逃してはならない。
 そこで、桜通線は桜本町からさらに南へ延伸することにする。桜本町から、名鉄本笠寺、JR笠寺、名鉄大江まで伸ばす。これを新しい桜通線とする。こうすることによって、JRや名鉄で名古屋よりも南から来る人を、名古屋駅や金山駅を経由せずに市内へと導入することが可能となる。
 代わりに、現在の鶴里や野並を通る路線は、そのまま西へ延ばして、新しく東海通線(仮称)とする。桜本町を乗換駅として、呼続大橋、豊、氷室、中京病院、千年、東海通へ。これで名港線と繋がる。さらに、名古屋競馬場東を経由して、あおなみ線の名古屋競馬場前へ繋ぐ。これであおなみ線も少しは便利になるだろう(現在は名古屋でしか乗換ができない)。
 ここまできたらどうせなので、東山線を高畑からさらに南へ伸ばす。中島西経由で同じく名古屋競馬場前だ。うまくすれば、(全線は不可能だろうが)東山線と東海通線の相互乗り入れも期待できる。
 上記の構想がなかなか苦しいということなら、名鉄本笠寺、JR笠寺、名鉄大江まで伸ばした桜通線を、さらに西へ伸ばすという方法もある。南部線の構想と被るところもあるが、大江から、竜宮町、築地口(名港線)、築三町、稲永だ。これであおなみ線と繋げることができる。野並方面の旧桜通線は、東海通線として桜本町から分岐する形とする。
 ということで、思うまま好き勝手に書いてみた。
 結局、市内の南西部からは、どこかで乗り替えなければならないという不便さは残るが、それでも各路線が有機的に繋がるメリットは大きいのではないかと思う。私の勝手な想像だが。
 もっとも、今の名古屋市交通局の累積赤字を考えると、結局は絵に描いた餅になるのだろうけれど…。