2月です。2月といえば、節分の季節。もともとは、各季節の節目の意味なのですが、いつの間にやら立春の前日のみを示すようになったようです。
昔の記憶の中で節分と言えば「豆まき」のみだったのですが、最近は「恵方巻き」なるものもよく目にするようになりました。節分の夜に、太巻きをその年の恵方に向かって一言も喋らずまるかじりするやつです。
昔は聞いたこともなかったので、広まったのは最近のようです。ということで、恵方巻きがどんなものか簡単に調べてみました。
恵方巻きの起源は諸説があり定かではないのですが、どうやら江戸時代頃に関西地方で始まった風習のようです。そして、一時期廃れていた風習を、海苔業界や寿司業界が復活させたというのが真相の様子。この辺りは、バレンタインデーなどの例を出すまでもなく、業界の商魂逞しいものだなぁといえるでしょう。でもまぁ、一応古くからある風習を復活させたもので、それなりのいわれがあるという点では、(苦しいけれども)多少の御利益もあろうかとも思うのです。
ということで、この季節にスーパーやコンビニを訪ねてみると、なるほど、豆と一緒に太巻きも目立つ売場を占拠しているのです。
そんなこんなをいろいろ考えながら、ふらふらとお店の陳列棚を見ていたら。「恵方ロール」。ロールケーキです。そう、スポンジ状の生地でクリームをまいたあれです。
ということは、何ですか。これを節分にまるかじりしろということですか。1人1本食べないといけないだなんて、ちょっと多すぎませんか。みんなでもくもくとロールケーキをかじっている姿って、何だか不思議ではないですか。
ここまでくると、形が似ているだけで、いわれも何もあったもんではありません。ある意味もはや原形をとどめていません。
洋菓子業界の逞しさ。クリスマスだけでは飽きたらず、ついに節分にまで触手を伸ばし始めたということなのかも。
ということは、今後、鶏卵業界やすり身業界ががんばれば、伊達巻きや鳴門巻きを節分に丸かじりするのもありなんでしょうか。
…一気に丸かじりではなく、ご飯も一緒に食べてよいですか?
了