「和洋中」といえば、何となく料理を思い浮かべる。外食産業には厳しいご時世ではあるが、行きたいお店もいくつか浮かぶ。
ふと、「和洋中」って何かに似ているなぁと考えていたところ、「和洋せっちゅう」かと思い至った。ただ、「せっちゅう」は「折衷」なので、当然、中華料理という意味は含まれない。ならば「せっ中」ということにして、「せつ」のところに何かよい(?)漢字を当てればよいと思いつく。
国名を漢字一文字の略称で表すのはよく行われるが、知っているものはそう多くない。ということで少し調べてみたところ、詳しくまとめられていて驚いたが、見渡してみれば、知らない漢字名も多いものだと気付かされる。そのため、知名度の低いものでは、略称として使っても、結局、どの国のことか分からないということになりそうだ。
ということで、さっそく「せつ」に該当するものはないかと見てみたのだが…。残念ながら、直接的なものはなさそうだ。この中では「星」がまだ近いか。シンガポールのことである。
「和洋星中」。無理矢理読めなくもない。シンガポール料理も魅力的である。美味しそうなものも多いし、屋台街も楽しそうだ。残念ながら、まだシンガーポールへ行ったことはないが。
ただ、日本ではシンガポール料理の知名度は高いとは言えない。他にしっくりくるものがないかと考えてみたが、よいアイデアはなかなか出てこない。世界三大料理ということで、トルコ料理もありかと思ったのだが、トルコの「土」では語呂がうまく合わない。
ということで、「和洋中」に話を戻そう。
和洋中の「洋」とは洋食(西洋料理)のことであり、つまり「洋」とは「西洋」のことである。しかし、それならば「東洋」も「洋」になるのではと思ってしまう。
「西洋」とは「大西洋」に繋がる言葉である。一方、「東洋」は「太平洋」となって、海の名称としては消えてしまった。この西洋・東洋という表現は日本独自のものであるようだが、なぜ地域の概念に海の名をそのまま用いたのかは分からない。
このように、「洋」とは「海」である。ならば、「洋食」とは「海の料理」であり「魚介・海鮮料理」になるのではないだろうか。洋食屋に入って、メニューに刺身、煮魚、浜焼きなどの魚介・海鮮料理しかなかったら、きっとびっくりするのだろうけれど、何だか少し腑に落ちるような気がするのは、それこそ気のせいだろうか。
そう思えば、「和洋」は和食の魚介・海鮮料理としてもよいだろう。「和洋中」ではなく「和洋厨」とすれば、美味しい和食の魚介・海鮮料理を出してくれるお店になりそうだ。
決して、これはただそんなお店に行きたいと思っているからではない。崇高なる(?)言葉遊びである。ただ、どうでもよい話であったとは思う。ここまで書いておいて何なのだが。
了