旅に出かけること

旅と聞いて想像するのはどんなことでしょうか。思い描くものは、人によって様々。そこには色々な光景があるのでしょう。
私は、旅には、これまで知らなかった人、物、場所などとの出会いがあるのだと思っています。
普段の日常の中で暮らしていると、時には思いがけないことがあるとしても、大半は現在の延長線上のできごとの中で過ごすことになります。もちろん、それはそれで大切なことなのですけれど、それだけでは何か足りない気がするのです。
人は、経験の中で自分の価値観を形作っていきます。そして、年月を経ていくことで、それが固まって個性となっていきます。
しかし、知らないことに対しては、価値観を作ることができません。知ることによって、初めて気付く価値観というものもあります。
もちろん、新しいことを知ったからといって、それまでの価値観を変えなければならないというわけではありません。単に、今までの価値観に付け足すだけでもよいのです。その選択も含めて、個人個人の自由にゆだねられています。
同じ価値観を持っている人が二人いたとしても、その背景に知っていることが多い人の方が、価値観に柔軟性が生まれると思うのです。新しいことを知ることで選択を重ねるということは、きっと考え方の訓練にもなるはずです。
そういう点では、旅に出るのは、若い頃の方がよりよいのかもしれません。
体力的な面も多少はありますが、まだ個性が固まりきっていない頃の方が、いろいろなものを受け入れやすいのではないでしょうか。先入観が少ないうちに、と言い換えてもいいかもしれません。もちろん、年をとってからでも、旅に出るのは十分に意味のあることだと思っています。
たくさんの選択肢の中から、しかし、何かを選んでいくことは大変です。でも、その苦労こそが、本当の意味での自分を形作っていくような気がします。大変なことを乗り越えていかない限り、見えないものもきっとあるのです。
旅に出て、知らない土地へ行くこと、知らない人に出会うこと、知らない物を食べること、知らない風習に触れること、知らない空気を吸うこと、知らない考え方を学ぶこと…。羅列すれば、限りがありません。できる限り、五感で感じられたらよいですね。旅の中で、日常とは異なった何かに触れることで、何か新しいことに気付けたらよいなと思っています。
だからこそ、旅に出たときには、できる限り心を自由にして、いろいろなものを受け入れるようにしてください。目に映ったものや耳に聞こえたものなどを、それまでの自分の価値観の中だけで処理してしまうことは、とってももったいないことだと思います。せっかくの機会なのですから、知らないということを、まずは知ることから始めてみるのがよいのではないでしょうか。
旅先には色々なことが待っています。それに気付けるかは、その人次第。
まずは旅に出てみましょう。何事も、経験なのですよ。